
2010年に日本で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、生物多様性を守り、自然資源を公正に利用し、分かち合うための愛知ターゲットが作られました。
しかし、10年経って愛知ターゲットはほとんど達成されていません。
例えばその理由の一つに資金不足があり、そのために産業界や企業の参画が議論されています。
私たちは、この動きに対して環境に配慮しているように見せかけた嘘「グリーンウォッシュ」を危惧します。
例えば、熱帯林を伐採してティッシュペーパーの原料となる外来種のアカシアを植林するプロジェクトに資金が流れ込めば、生物多様性の損失はよりひどくなるでしょう。
一方で、現場レベルで森林農法や有機農業など草の根の活動を続ける市民活動/NGOが資金を得るしくみが構築されれば、広がりが生まれるでしょう。
生物多様性の保全のために、市民/消費者としてグリーンウォッシュにどう強くなり、行動できるか?
草の根のプロジェクトに支援をつなげるにはどうすればいいのか?
ローマでのポスト2020作業部会に参加したウータンの武田裕希子さんに伺います。
生物多様性の宝庫ボルネオ島…
私たちを惹きつけてやまない野生生物だけでなく、“食”にまつわる多様性もすごいのです!
★ジャングル近くで作られる胡椒
★花はもちろん、ハチの種類でも味が変わる甘酸っぱいハリナシバチの蜂蜜
★先住民が代々受け継いできた樹木テンカワンの実から搾ったボルネオ・ナッツ・バター
これらの林産物は、木材伐採や大規模開発を伴うパーム油とは違い、その地域に住む人々が森林を持続可能に利用しながら収入を得られる可能性を秘めています。
一度失われると二度と元に戻らない種たち…
命の大切さに想いを馳せながら、ボルネオの多様な食べものを楽しく知って考える会を開催します。
ぜひご参加ください!
ウータンでは、ボルネオ島(インドネシア)のタンジュン・プティ
今年は新型コロナウィルスの影響でエコツアーは開催できませんで
大阪の会場とオンラインの両方で開催しますので、お好きな方でご
先進国主導型で推進されている気候変動対策やSDGs(
しかしその影響力は遠いアフリカ熱帯林には及んでいません。
むしろ、「環境に優しい」
結果的に、「ひとりも残さずに」
ゲストの西原智昭さんに、
西原智昭さん
星槎大学共生科学部・特任教
WCS(Wildlife Conservation Society)自然環境保全研究員
1989年から約30年、コンゴ共和国やガボンなどアフリカ中央部熱帯林地域にて、野生生物の研究調査、国立公園管理、熱帯林・生物多様性保全に従事。現在、星槎大学共生科学部・特任教授。国際保全NGOであるWCS(Wildlife Conservation Society;ニューヨークに本部があり)の自然環境保全研究員。京都大学理学部人類進化論研究室出身、理学博士。詳細はこちらを参照のこと。
現在の最大の関心事は、(1)人類の起源と進化、野生生物・森林生態系および地球環境保全、(2)生物多様性と文化多様性の保全のバランスへ向けた模索、(3)「ヒトの原点の生き証人」「野生生物をよく知る熟練家」「自然環境保全の先駆者および担い手」としての先住民族の再価値付け、(4)エシカルライフへ向けた見直しへの提言、(5)ヤマト民族とは何かについての歴史的・統合的・包括的な探求。これらに関しての情報提供と教育普及を実施。
【概要】
肉牛牧畜や大豆栽培などの輸出用大規模農業開発、保護区内における違法の金採掘を含む地下資源開発、木材業者による盗伐…。アマゾンは今、開発による森林破壊で酷く乾燥化が進み、乾期の火災の拡大を招くという悪循環に陥っています。
憲法で土地への権利が保障される先住民族保護区はアマゾンの森を守る最後の砦。しかし極右のボウソナロ政権は、保護区内で先住民族の同意なしに鉱物採掘を可能にする法案や、保護区の森を焼き払って違法に拡大した農地に恩赦を与える法案を次々に提出するなど、開発圧力はますます高まる一方です。
生存の危機の中、先住民族はどのような抵抗運動を展開しているのでしょうか。ブラジルと長く関わり、またRFJの活動に同行して現地を取材し続けている下郷さんに、「経済(貧困対策)か森林保護か」という二元論で語られがちなアマゾンの問題に対して包括的な視点からお話しいただきます。
下郷さとみさんプロフィール:
ジャーナリスト。ブラジル・リオデジャネイロのファベーラ(都市スラム)を主なフィールドに貧困層の民衆運動を長年取材。NPO法人熱帯森林保護団体(RFJ-Rainforest Foundation Japan)に協力してアマゾン森林保護と先住民族支援にも関わり、2015年からは毎年、支援対象地であるアマゾン南部シングー川流域の先住民族保護区を訪問している。2005年、農的暮らしを求めて東京から千葉県南部の農村に移住し、里山保全や地域創造活動に参加。アマゾンの森の民の生活のあり方に、人と自然が調和する場としての共通項「里山」を見い出している。著書に「抵抗と創造の森アマゾン」(共著/現代企画室)、「平和を考えよう」(あかね書房)、「地球の未来へ125の提案」(毎日新聞社)など。
【開催概要】
日時:9月12日(土)14:00〜17:00
場所:オンライン(Zoom)&会場でのハイブリッド開催
会場:ルマ・ボルネオ
主催:ウータン・森と生活を考える会
*本学習会は地球環境基金の支援を受けて開催します
ウータンの活動は多岐に広がり、いろんなことを”知る”
ウータン・森と生活を考える会は、熱帯林破壊による生物多様性の損失、泥炭地破壊による気候変動への影響、先住民や地域住民・農園労働者への人権侵害を拡大するパーム油発電の反対活動に取り組んできました。
このたび、舞鶴でのパーム油発電計画は、地域住民の方が奮闘され、多くの市民とNGOの支えもあって反対活動が成功、市民側の完全勝利を迎えることとなりました。ご協力ありがとうございました!
建設予定地最寄の喜多地区から、完全撤退の立役者である住民の方をゲストに迎え、活動を振り返るとともに、パーム油発電の問題を再確認し、今後のH.I.Sや福知山等での活動についての意見交換をしたいと思います