【回答一覧】福知山パーム油発電所を運営する三恵エナジーの融資銀行、取引先、JaSPONメンバー、福知山環境会議メンバー等に対してESGエンゲージメント強化及び投資撤退(ダイベストメント)を求める要請書に対する返答をまとめました。

ウータン・森と生活を考える会は、京都府福知山市でのパーム油発電事業(三恵バイオマス発電所)によって、燃料調達において自然環境や生きものやインドネシアの人々、発電時において、発電所周辺地域住民の方々に多大なる被害を与え、持続可能な開発目標(SDGs)に逆行する三恵エナジー株式会社及び三恵グループに対して、「ESGエンゲージメント強化及び投資撤退(ダイベストメント)を求める要請書」を、7カ国18団体の賛同を得て、当該企業に融資していると思われる金融機関7社(三井住友銀行、みずほ銀行、京都北都信用金庫、中兵庫信用金庫、京都銀行、京滋信用金庫、近畿産業信用組合)に2020年8月4日付で郵送しました。

さらに、8月19日付で、「三恵福知山バイオマス発電所」の竣工式に出席していた株式会社ヨネダ米田社長、株式会社日本バイオディーゼル機器荒井社長、藤本電業株式会社藤本社長、三井住友ファイナンス&リース田渕部長宛に、三恵エナジーとのESGエンゲージメント(対話)を促す要請書を送りました。

また、11月12日付で、パーム油生産における問題を解決することを目指し日本市場における持続可能なパーム油の調達と消費を加速させるための「持続可能なパーム油ネットワーク」(JaSPON)のメンバー及び福知山市民・企業・行政による持続可能な社会を目指すパートナーシップである福知山環境会議メンバーにもESGエンゲージメントを要請しました。

〈要望書郵送先と回答一覧〉金融機関

このたびは三恵エナジー株式会社及び三恵グループへのESGエンゲージメント強化に関する要請書を頂き、ありがとうございました。

個別案件に関する回答は差し控えますが、頂きましたご指摘については社内で共有のうえ、今後のESG業務推進の参考にさせて頂きます。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

三井住友銀行 経営企画部 サステナビリティ推進室

(電話にて)「内容についての該当する取引はしておりません」

 

中兵庫信用金庫

(電話にて)「個別の取引についてはあるかないかも含めてお答えできません」

 

京都銀行

(電話にて)「預金の預かりはあるが、投融資はしていません。内容については内部で把握しています」

 

近畿産業信用組合

無回答、または不明

 

みずほ銀行

京都北都信用金庫

京滋信用金庫

〈要望書郵送先と回答一覧〉三恵取引先

このたびは、弊社グループの三井住友ファイナンス&リースに対しまして、三恵エナジー株式会社様及び三恵グループ様へのESGエンゲージメント強化に関する要請書を頂き、ありがとうございました。

個別案件に関する回答は差し控えますが、御団体より頂きましたご指摘については社内で共有のうえ、今後のESG業務推進の参考にさせて頂きます。

今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

三井住友フィナンシャルグループ

企画部 サステナビリティ推進室

無回答、または不明

 

日本バイオディーゼル機器

株式会社ヨネダ

藤本電業株式会社

〈要望書郵送先と回答一覧〉JaSPONメンバー

 WWFジャパンはこれまで、守るべき自然環境保全のため、持続可能なコモディティの生産および消費の推進を目指して、国内外のさまざまな事業者や団体と協力しながら活動を進めてきました。パーム油もその中の1つであり、インドネシアの小規模生産者支援だけではなく、日本の国内マーケットの調達改善も含め積極的に活動を進めているところです。

 

近年課題となっている、パーム油およびアブラヤシ由来を原料とするバイオマス発電の燃料利用についても、化石燃料と比べても温室効果ガス(GHG)排出の増大に繋がり得る深刻なリスクと捉え2019年より活動を開始しています。貴会と協働している案件も含め、以下に概要を紹介します。

 

 バイオマス燃料の持続可能性に関するポジションペーパーを公開(2019年5月)

https://www.wwf.or.jp/activities/statement/3988.html

・バイオマス燃料の持続可能性を担保するため、5つの基準(トレーサビリティ、合法性、森林原料の防止と生物多様性の保全、温室効果ガスの削減、その他)を設定

 

・本ポジションペーパーを周知するため、2019年6月に企業向けセミナーを開催したほか、商社をはじめバイオマス発電に関わりを持つ企業に対し、個別インプットも継続

https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4067.html

 

 京都府舞鶴港におけるパーム油を燃料としたバイオマス発電所事業計画の見直しと燃料の持続可能性基準策定を求める要望書を提出(2019年7月)

https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4022.html

 ・経済産業大臣、京都府知事、舞鶴市長、日立造船株式会社へそれぞれ提出

 

資源エネルギー庁に対しFIT法とバイオマス発電についての要望書を提出(2020年7月)

https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4362.html

・持続可能性基準すらないFiT法がそもそもの問題と考え、経済産業省および資源エネルギー庁に、持続可能性基準および、化石燃料比で大幅なGHG排出削減基準を検討・策定するよう求める要望書を提出

・貴会をはじめ13団体および2名の個人による賛同

 

以上が、WWFジャパンのバイオマス発電に関わる主な活動です。その上で貴会からの要請書に対し下記の通り回答いたします。

 

 

1.貴会の地域や人々に寄り添う活動は大変重要な活動と考えており、本件はじめバイオマス発電に対する活動を、心強く感じています。

 

2.WWFジャパンは、「パリ協定」を達成するためにも、再生可能エネルギーは拡大推進すべきと考えますが、燃料が必要となるバイオマス発電においては、化石燃料と比べて大幅なGHG排出削減が見込める燃料でなければ利用すべきではないと考えます。

 

3.だからこそ、WWFジャパンが今優先すべき活動は、FiT法および経済産業省/資源エネルギー庁が推し進めている政策を、少しでも持続可能な方向に修正するための活動と考えており、これまでの活動は上記の通りとなりますが、今後もその方針は変わりません。

 

WWFジャパン 森林 グループ

ご指摘の先と特に関係はございません。

また弊社の基本的な考え方(調達方針等)が定まっており、それに従って行動しております。

 

キユーピー(株)サステナビリティ推進部

当室は「 持続可能なパーム油ネットワーク( JaSPON 」の オブザーバー であり 、 会員として意見を申し上げる立場にありません 。

 

環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性主流化室

無回答、または不明

 

味の素株式会社

イオン株式会社

花王株式会社

グリーン購入ネットワーク

株式会社Control Union Japan

サラヤ株式会社

株式会社資生堂

ダーボン・オーガニック・ジャパン株式会社

太陽油脂株式会社

日清食品ホールディングス株式会社

株式会社明治

森永乳業株式会社

ライオン株式会社

エスビー食品株式会社

合同会社西友

日油株式会社

月島食品工業株式会社

日本生活協同組合連合会会長

新日本理化株式会社

株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

マルハニチロ株式会社

株式会社ADEKA

株式会社アルボース

株式会社コーセー

株式会社 不二家

丸紅株式会社

森永製菓株式会社

不二製油グループ本社株式会社

伊藤忠商事株式会社

汎アジア貿易株式会社

株式会社アルビオン代表取締役社長

スジャータめいらく株式会社

昭栄薬品株式会社

株式会社ミルボン

高砂香料工業株式会社

化成品商事株式会社

経済人コー円卓会議日本委員会

阪本薬品工業株式会社

ハウス食品グループ

川原油化株式会社

株式会社 創健社

株式会社 地の塩社

長谷川香料株式会社

株式会社ファンケル

株式会社ネイチャーズウェイ

オイシックス・ラ・大地株式会社

〈要望書郵送先と回答一覧〉福知山環境会議メンバー

本市では、パーム油バイオマス発電所の周辺住民から寄せられた発電所からの騒音・臭気等の苦情により、また、2019年9月26日には、近隣自治会から福知山市議会に提出された請願書が採択されたことを受け、事業者に対して苦情内容や請願内容を伝え、改善対策の実施について要請を行なっています。

 

福知山市長

2020年9月9日付けで照会のありましたことについては行なっておりません

 

福知山環境会議 代表

電話で連絡し、対応を検討中

 

福知山市連合婦人会

無回答、または不明

 

福知山市自然化学協力員会

エコ美遊

一般社団法人福知山青年会議所

福知山市老人クラブ連合会

パナソニックフォトライティング株式会社

エスペック株式会社

福知山公立大学

エコノスジャパン株式会社

京都府地球温暖化防止推進員緑を育てる会

福知山商工会議所

福知山バイオマス研究開発事業協同組合

なお、7月30日に、三恵バイオマス発電所の発する騒音や悪臭の被害を受ける近隣住民ら107人が京都府公害審査会に対して公害調停の申請を行いました。一刻も早く被害が無くなるよう願っております。
「パーム油発電 住民公害調停申請 市、業者相手に 福知山 /京都」

本件に対するオンライン署名が2500件を超えています。
引き続きの署名をお願いします。
「パーム油発電の公害で苦しむ親子を助けたい!三恵福知山バイオマス発電所の廃炉を求めます」

〈ESGエンゲージメント強化及び投資撤退(ダイベストメント)要請理由〉
理由1:福知山のパーム油発電による騒音と悪臭で体調が悪くなった地域住民が健康被害を訴えており、SDGsゴール3(すべての人に健康と福祉を)、ゴール16(平和で公正な社会の実現)に逆行しています。
理由2:パーム油発電事業は、パリ協定及び持続可能な開発目標(SDGs)のゴール13(気候変動)に逆行します。
理由3:パーム油をバイオマス燃料として利用拡大することは、熱帯林の破壊と土地収奪を引き起こし、SDGsゴール15(陸域の生物多様性)、ゴール16(平和で公正な社会の実現)に逆行します。
理由4:パーム油発電は事業リスクの高いビジネスで、日本政府はパーム油発電への規制を強めています。

〈本要請書には以下7ヵ国19団体が賛同しています〉
ARA(ドイツ)
国際環境NGO FoE Japan(日本)
F.C.MANIS(日本)
認定NPO法人環境市民(日本)
Global Forest Coalition(オランダ)
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(日本)
サラワクキャンペーン委員会(日本)
Stand.earth(アメリカ)
Solutions For Our Climate (韓国)
熱帯林行動ネットワークJATAN(日本)
Partnership for Policy Integrity(アメリカ)
パプアニューギニアとソロモン諸島の森を守る会(日本)
Bank Track(オランダ)
Fridays For Future Kyoto(日本)
Friends of the Siberian Forests(ロシア)
Both ENDS(オランダ)
Mighty Earth(アメリカ)
more trees(日本)
Rainforest Information Centre(オーストラリア)
(2020年8月3日時点)

 

〈発電事業者〉
三恵エナジー株式会社 杉本 潤明代表取締役兼CEO

〒540-0029 大阪府大阪市中央区本町橋2―15 三恵ビル6階

06-6920-8741

三恵観光株式会社 杉本 潤明代表取締役兼CEO

〒620-0882 京都府福知山市字堀小字下高田2346

0773-22-0300

 

本件に関するお問い合わせ先:
ウータン・森と生活を考える会 担当:石崎
E-mail:contact-hutan@hutangroup.org

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