Letter of Request for ESG Engagement and Reconsideration of Investment and Financing
PDF:http://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/tokyogas_hanwa_shareholders_letter_260401_eng.pdf
Potential Presence of Endangered Species in Pellet Production Areas in Gorontalo Province, Sulawesi
PDF:https://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/20260401gorontaloendangeredspecieseng.pdf
Open Letter of Questions and Requests to Hanwa Corporation and Tokyo Gas Regarding Pellet Production and Procurement on Sulawesi Island(October 27, 2025)
PDF:tokyogas_gorontalo_pellet_letter_251027_eng
http://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/tokyogas_gorontalo_pellet_letter_251027_eng.pdf
PDF:hanwa_gorontalo_pellet_letter_251027_eng
http://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/hanwa_gorontalo_pellet_letter_251027_eng.pdf
Press Release
報道関係者各位
2026年4月1日
ウータン・森と生活を考える会
日本の再エネが、インドネシアの「生物多様性ホットスポット」スラウェシ島で、熱帯林減少の要因に ~現地で木質ペレットの生産と調達を行う、阪和興業と東京ガスの株主(金融機関)に、エンゲージメント(対話)とダイベストメント(投資の見直し)を要請~
ウータン・森と生活を考える会は、4月1日、森林保全や気候変動対策の強化、持続可能なバイオマス利用を目指す複数の団体と連名で、阪和興業株式会社(以下、阪和興業)と東京ガス株式会社(以下、東京ガス)の株主である金融機関(日本国内14社、欧米57社)に対して、エンゲージメント(対話)とダイベストメント(投資の見直し)を求める要請書を送りました。
報道や現地NGOの調査により、阪和興業はインドネシア・スラウェシ島ゴロンタロ州で木質ペレット生産企業(PT. BJA)に20%出資しており、東京ガスがそのペレットを富山県・伏木万葉埠頭バイオマス発電所で燃料として使用していることが明らかになっています。
<背景>
現在、主要な輸入燃料である「木質ペレット」の輸入元として急成長しているのがインドネシアです。2023~25年にかけて、日本の木質ペレット総輸入量に同国が占める割合は1%から5%にまで増加しました。
インドネシア側の貿易データによると、2021~2025年の同国産ペレットの輸出量のうち、約60%が日本向けでした。2025年に日本が同国から輸入したペレットのうち、71%がゴロンタロ州から来ています。
スラウェシ島は、非常に長期にわたる地理的孤立から、生物が独自の進化を遂げており、特に貴重な生物多様性を有する「ホットスポット」の一つに指定されています。生物種の分化が現在も頻繁に起きる「交雑帯」が6か所も存在しており、研究者の間ではガラパゴス諸島と並んで「生きた進化の実験室」と呼ばれるほど、極めて貴重な場所です。交雑帯の一つがゴロンタロ州にあり、いくつもの貴重な固有種・絶滅危惧種の生息地となっています。
ゴロンタロ州では現在、既に2つのペレット工場が稼働しており、木材を供給するための伐採許可地(コンセッション)面積は、およそ10万ha(東京都の面積の半分に相当)になります。伐採地域では、少なくとも17種の絶滅危惧種と5種の準絶滅危惧種の生息地と重なっている恐れがあります。BJAだけみても、熱帯林の皆伐は年間1500ヘクタール(平均1日4ヘクタール)というペースで進んでいます。
このまま熱帯林の伐採・植林地への転換が広がれば、そこにしか存在しない生態系や、固有種・絶滅危惧種の生息に取り返しのつかない悪影響が及ぶ恐れがあります。
<主な懸念>
【貴重な生態系の不可逆的な喪失、ネイチャー・ポジティブへの逆行】
スラウェシ島は、世界的に貴重な「生物多様性のホットスポット」であり、多くの固有種(その地域にしかいない希少な種)が生息しています。その熱帯林を皆伐してプランテーションへの転換する事業は、現在企業に求められているネイチャー・ポジティブへの取組みに明らかに逆行します。現在、多くの金融機関が参加している TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース) の観点からも重大なネイチャーリスクです。
【気候変動対策としての不適格性と「炭素負債」のリスク】
木質バイオマス発電は「カーボンニュートラル」と誤解されがちですが、本事業のように天然林の伐採・燃焼を伴う場合、実際には大気中のCO₂を大幅に増加させる可能性があります。
樹木が数十年かけ蓄積した炭素は、燃焼により大量に放出されます。再植林による吸収でこれを相殺するには数十年〜百年以上の時間を要し、天然林の皆伐による土壌炭素の損失を加味すると、実質的な排出強度は石炭火力発電を上回るリスクがあり、パリ協定や、2030年までの大幅削減や2050年ネットゼロのタイムスパンと全く整合しません。
【地域住民の生活基盤の破壊と人権リスク】
BJAに木材を供給する伐採地は、河川上流の重要な集水域であり、下流住民にとって不可欠な「水源の森」です。近年の伐採の急速な拡大により、すでに水源への悪影響や洪水被害の増加が報告されており、安全な生活を脅かしています。また、農地を持たない住民にとって、森林は、ハチミツ、ラタン(籐)、サトウヤシ、薬草、野生鳥獣肉など多様な恵みを与えていました。ペレット生産目的の皆伐と植林地への転換は、こうした伝統的な生計手段を奪うものです。
現在の日本の政策(FIT/FIP制度)では、燃料の持続可能性の確認方法を、「認証の取得」や「個別企業等の独自の取組」(自己宣言)に依存しているため、実際には現場の環境破壊・地域社会への悪影響を防ぐことができていません。本要請書では、両社の株主・投資家として、独立した立場からの厳格なデューデリジェンスとエンゲージメントの実施を求めています。
<市民からの9500件を超える署名>
ウータン・森と生活を考える会が呼びかけている国際オンライン署名「熱帯林をバイオマス発電のために燃やさないで!〜東京ガス・阪和興業はスラウェシ島の天然林を破壊する木質ペレットの使用をやめてください〜」( https://t.co/0jZ953uHxM )には、9,500人を超える方からの署名が集まっています。
これらは、顧客やステークホルダーを含む、世界中の市民・消費者の直接的な声であり、森林破壊と人権侵害を伴うエネルギーを「再生可能」とは認めないという断固たる意志の表れです。また、近年の燃料高騰や円安により、輸入依存型のバイオマス発電は事業継続性が危うく、将来的に座礁資産化するリスクが極めて高いと言えます。
<要請書掲載ページ>
【日本企業宛】
http://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/tokyogas_hanwa_shareholders_letter_260401_jpn.pdf
<参考資料>
● インドネシアからのペレット輸入量の推移について:「日本のバイオマス発電とスラウェシの森林」
https://www.gef.or.jp/wp-content/uploads/2025/12/260113-Suzushima_Intro.pdf
● ファクトシート:「進化の実験室」スラウェシ島の生物多様性と森林減少―木質バイオマス(ペレット)生産のリスクとは?
https://www.gef.or.jp/wp-content/uploads/2025/12/factsheet_sulawesi_biodiversity_biomass.pdf
● 参考情報:スラウェシ島ゴロンタロ州の絶滅危惧種の生息状況
http://hutangroup.velvet.jp/db/pdf/20260401gorontaloendangeredspeciesjpn.pdf
● 2025年10月の公開質問兼要請書と阪和興業及び東京ガスの回答
阪和興業と東京ガスに宛てた、スラウェシ島のペレット生産・調達に関する公開質問兼要請書(2025 年 10 月 27 日)
阪和興業ーHANWA
東京ガスーTokyo Gas
インドネシア・スラウェシ島におけるペレット生産および調達に関する 公開質問状への回答
阪和興業ーHANWA
東京ガスーTokyo Gas






