【プレスリリース】本日2021年10月4日経済産業省梶山弘志大臣宛に、16,402件のオンライン署名「私たちの電気代で問題だらけのパーム油発電ビジネスを促進するのは止めて下さい!」を提出しました。

ウータン・森と生活を考える会は、本日2021年10月4日、経済産業省梶山弘志大臣宛に、16,402件のオンライン署名及び請願書「私たちの電気代で問題だらけのパーム油発電ビジネスを促進するのは止めて下さい!」を提出しました。

署名はこちら:https://www.change.org/NoPalmOilPowerPlants

「FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取)」制度は、低炭素社会を実現するために、再生可能エネルギーの普及を消費者みんなで支援し、CO2の排出量削減を目的とする制度です。その買い取り費用は私たちの電気代に上乗せされている「再エネ賦課金」でまかなわれています。 しかし、再エネという地球にやさしいクリーンなイメージのもとで、私たちの電気代が問題だらけの「パーム油発電(パーム油を燃料とする火力発電)」促進のために使われ始めています。

「パーム油発電」は以下のような理由で問題があります。

◆温室効果ガスがたくさん出ます
天然ガス発電以上の温室効果ガス(GHG)を排出するので、低炭素社会に向けたエネルギーとは言えず、気候変動対策の観点から大問題。土地転換(森を伐って農園を作ることによる影響)を含めると莫大なGHG排出を伴います。経産省は土地転換がない場合と比較して、CO2の貴重な吸収源である熱帯林開発を伴う場合は約5倍、大規模森林火災を招く泥炭地開発を伴う場合は139倍のGHGが排出されると試算しています。つまり、CO2の排出量削減を目的とする制度で、森を伐ってCO2の吸収源を破壊し、製油や長距離輸送、燃焼等でCO2を大量に排出するパーム油発電の普及を手助けしてしまっています。

◆ 希少種オランウータンの生命が奪われます
パーム油産業は、広大なプランテーション(大規模農園)開発によって絶滅危惧種や希少種の生息地を破壊します。また、地域の生態系の重要な要となる“キーストーン種”オランウータンはしばしばプランテーションで害獣として違法に殺害されています。

◆途上国の人々の暮らしへの影響
パーム油の主な用途は食用です。途上国の人々の食を支えるパーム油を大量に燃やし続けるために奪ってよいのでしょうか?地域住民の権利侵害、生産現場での人権侵害や搾取も起きています。

◆ エネルギーの地産地消に逆行
地域に根差したコミュニティーパワーなど、必要なエネルギーをその付近で生み出すことの重要性が叫ばれる中で、それに反してパーム油は遠く海を渡ってインドネシアやマレーシアから運び込まれます。地域経済活性に逆行し、海外へ大金を流出させ続けるという問題もあります。また、コロナ危機のように輸出入が不安定になった際のリスクも問題です。

◆ 日本での公害問題が深刻です
パーム油発電所が既に稼働していた福知山市では、住民の方々が騒音や悪臭、低周波音、ばい煙(NOx)による健康被害に悩まされ、公害訴訟を起こして大変な思いをされていました。

以上のような問題提起を住民や国内外の NGO が発信した結果、京都府舞鶴市では2020年7月にパーム油発電計画が、福知山市では2020年12月にパーム油発電事業が撤回されました。しかし、今なお「地球にやさしい」という疑わしいコンセプトのもとパーム油発電計画が推し進められているのも事実です。現在、FIT対象燃料からパーム油を外すことを求める署名が全国から16,400件以上集まっています。市民の声を聞き、政策に反映させることを経済産業省梶山弘志大臣に求めます。

取材については以下にお願いします。

ウータン・森と生活を考える会
事務局長 石崎雄一郎
contact-hutan@hutangroup.org
050-5876-7925

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