原生種の苗作りと植林プロジェクト

ストーリー1 

 タンジュンハラパン村では、かつて貧しかった村人が違法伐採に従事していました。 現在、村人の一部は、現地ローカルNGO・FNPFと共に苗作りを行っています。その苗は、森から拾ってきた原生種(在来種)から作られます。 植林は人気がありますが、その土地にもともと無かった外来種を植えることで却って生態系を破壊してしまうケースがあります。ウータンは ずっと原生種の植林にこだわってきました。

苗作りの大きな目的は、植林をしたいNGO、政府、企業などに苗を売ることで副収入を得ることです。タンジュンハラパン村の人々がかつて 違法伐採に従事していた大きな理由は現金収入を必要としたからです。生活が向上すれば、違法伐採のような危険な行為もせずに済みます。
苗作りプロジェクトは、原生種で森を再生させるだけでなく、副収入による村人の生活向上も図った一石二鳥のプログラムです。

ストーリー2 

ゆたかな森が広がるブグル地区で2007年に大火災が起きました。FNPFと苗作りグループは焼けた土地から森がないオープンエリア・ パダンセンビランまでの120haを植林しました。

ストーリー3 

現在、FNPFが村人と共に活動するのがパダン・センビランという場所です。国立公園内ですが農地の用途をもった土地で、いまは 数家族が農業を営んでいます。苗作りグループ「プリタセンビラン」はタンジュンハラパン村の女性や高齢者が多く、ハードな仕事 でなくてもできる苗作りをコツコツ続けています。
プリタセンビランのメンバーはとてもシャイですが、時々見せる表情が子どもっぽくかわいいおばちゃんばかりです。

ストーリー4 

かつて違法伐採に従事していたFNPFのスタッフ・ハドランさんはこう言います「俺もかつてはたくさんの木を切った。その時のことを 思うととても恥ずかしい。だが、今はFNPFのメンバーとして植林をして いる。いつか自分が切った木よりもたくさんの木を森へ返す ことが夢だ」
ウータン・森と生活を考える会ではこれからもその手助けをしていきたいと思います。

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