ボルネオ・エコツアー 「現地の村人・NGOと共に豊かな森の再生をめざして」

タンジュンハラパン村では、バナさんが率いるエコツーリズムグループに村人全員が入っています。ウータンでは2012年からボルネオ・エコツアーを 開始、タンジュンハラパン村でホームステイをしながら、FNPFの活動地を見て体験しています。

ホームステイや村人による工芸品づくりのプログラムやお土産の収益は、村人の収入となり、彼らの生活向上へ役立てられます。エコツアーには、日本に 住む人々が現地の問題を知り活動へ参加するだけではなく、村人に「わざわざ遠い日本からやってきて一緒に活動をしてくれている」という想いをもって もらい「自分たちがやってきたことは間違っていなかった」と誇りをもってもらう効果があります。

 2017年度ツアー日程決定

ツアー日程が 9月2日(土)~9月9日(土)に決まりました。

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オランウータンの棲む豊かな森と私たちの生活のつながりを体験し、地元の人たちとの交流から日本でできることを考えるエコツアー。ジャングルを歩いて自然を味わったり、村でじっくりホームステイをする、日本とは一味も二味も違った夏休みを過ごしに、ボルネオ島へ足を伸ばしてみませんか?

 2017年度ツアー日程表
日付旅程/プログラム宿泊地食事
9/2(土)AM:関西空港集合
関西空港出発 香港経由でジャカルタへ
ジャカルタ到着
ホテルへ移動
ホテル-
9/3(日)ホテルから空港へ
ジャカルタ出発
パンカランブン到着
船でタンジュンハラパン村へ移動
ホームステイ朝夕
9/4(月)アブラヤシ・プランテーション(パーム油)見学
タンジュン・プティン国立公園オランウータン保護施設 (キャンプ・リーキー)見学
ホームステイ朝昼夕
9/5(火)タンジュン・プティン国立公園での植樹体験 ホームステイ朝昼夕
9/6(水)タンジュン・ハラパン村の小学校見学および子ども達との環境教育 ホームステイ朝昼夕
9/7(木)朝 タンジュンハラパン村出発
船でパンカランブンへ移動
パンカランブン出発
ジャカルタ到着
ホテル
9/8(金)NGO(ウェットランド・インターナショナル)のマングローブ植林プロジェクト地訪問、植樹体験
ホテルへ移動
ホテル朝昼
9/9(土)空港へ移動
ジャカルタ出発 香港経由で大阪へ
関西空港到着、解散
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 2012年に行った第1回エコツアーの紹介

ストーリー1 いざボルネオへ

 港町からクロトという観光客が使う大きなボートでゆっくりと村へ向かいます。ニッパヤシが生い茂る河口からはボルネオ島の風景が 広がります。セコニャール川のリバークルーズはボルネオの旅の醍醐味といえます。テングザル、サイチョウ、時には野生のオランウータンや 珍しい生き物を川沿いの木々に見つけることができます。

僕たちもラッキーなことに途中で野生のオランウータンに出会うことが出来ました。ただ、そこには悲しい要因もあります。プランテーションに より、森がどんどん小さくなると必然的に川沿いに残る森へと生き物は移動しなくてはなりません。ですから、野生のオランウータンが見られる ということは森が無くなっていることを意味するのです。

FNPFリーダーのバスキさんが慌ててやってきました。オランウータンが近くにいるというのです。そーっと森のほうへ歩いていくとそこには 巨大なオスのオランウータンが!どうも以前保護し、野生に返したセミワイルドのオランウータンが、バナナの保管庫を探り当て来るように なったようです。野生のオランウータンはなかなか見る機会がないので、ラッキーでした。

ストーリー2 プランテーションと森林農法

 ボルネオ島の熱帯林破壊最大の問題となっているパームオイル。FNPFのメンバーと村人は、プランテーションと残された森の間の土地を 少しずつ手に入れ、そこでアグロフォレストリーという樹木の間で農作物や家畜を育てる取り組みをしています。

 少しグロテスクなアブラヤシの実にみんな興味しんしん。実を見るのは初めてですが、その油はスナック菓子、インスタント麺、 チョコレート、アイスなどの食用油や洗剤、化粧品など日常の消費生活にたくさん使われています。この油を採るために熱帯林が失われ、 野生生物は絶滅の危機にあります。

 しかし、それらは生活に欠かせないもの。ツアーのみなさんは、自分たちの生活にも関わるこの問題にどう対処したらいいのかを真剣に 考えていました。土地を破壊ずにアブラヤシを栽培できないか、今あるプランテーションでまかなえるように品種改良をすべきではないか、 など意見がでました。
「事前学習会でプランテーションの問題は知っていたが、実際に現場を見てみると環境破壊の実態がよりリアルに感じられた」という声も 参加者からでました。

ストーリー3 オランウータン保護施設キャンプリーキー

オランウータンの保護施設であるキャンプリーキーは、親子のオランウータンの他、テナガザル、ヒゲイノシシなど様々な生き物に ほぼ毎日出会えます。そのため、欧米からの観光客も多く見られます。しかしながら、簡単に動物と触れ合えるこの場所があることは 必ずしもよいのかわかりません。
なぜならリハビリテーションセンターの本来の目的は、動物を森に帰すことだからです。ここの動物はかなり飼いならされてしまって、 野生生物の持つ力強さはありません。

一方で、この施設にたくさんの観光客が訪れることが、観光収入となり、また注目を浴びることが違法伐採や開発から森を守っている ことも考えられます。また、ここで回復したオランウータンの帰る森がないと現地NGOの人はいいます。
オランウータンが帰っていく場所、その多くはプランテーションや違法伐採で無くなってしまったのです。

ストーリー4 村の苗作りグループと植林

タンジュンハラパン村では、かつて貧しかった村人の一部が違法伐採に従事していましたが、 現在一部の村人は、FNPFと共に原生種の 苗作りと植林活動を行っています。僕たちは苗床を見学し、実際にこの苗を村の苗作りグループと一緒に植えにいきました。
鳥や虫の鳴き声やときおり遠くにギボンの遠吠えも聞こえる約4kmの雨季の森は、たくさんの水たまりがあり、足はびしょびしょ。 なかなかハードな道のりです。しかしながら、ツアー参加者からは、「濡れや汚れをだんだん気にしなくなり、細かいことは気にしない、 現地の方の大らかな心に近づけた気がしました。」という声も。

植林体験では、村人一人が丁寧に植え方を教えてくれました。ツアー参加者からは「苗木の植林体験は貴重な体験でした。たとえ数本でも 苗木を植えることで,現地の植林がどのようなモノかをイメージすることができました」というメッセージをもらいました。
エコツアーでも村人の苗を購入することで、彼らのプロジェクトをサポートしています。

ストーリー5 子どもたちと環境教育

 この日の午後は村の子どもたちと環境教育を行いました。本当は森で行う予定だったのですが、残念なことに雨が非常にきつかったので、 村の入り口の屋根付き広場で行いました。
まず初めに、子どもたちが一人ずつ、(なんと日本語で!)挨拶をしてくれました。最初は恥ずかしがりながら、でもみんなしっかりと 挨拶をしました。お返しに、日本からも一人ずつインドネシア語で挨拶をしました。また、ツアー参加者の浅田さんが日本の伝統的な遊び である折り紙の披露をしてくれました。折り紙は、子どもに大人気でとても熱心に折り方を学んでいました。

よかったのは、ツアー参加者が「環境教育を見学させてもらうだけではなくて、こちらからも何か伝えよう!」ということで、日本から 持ってきたゴミ袋を使って即席の環境教育をしたことです。バスキさんの通訳に子どもたちは興味を持って耳を傾けていました。
  みんなとにかく元気な子供たちで、こちらもたくさんの元気をもらえました。

ストーリー6 エコツアーの目的

 最後の夜はエコツーリズムグループリーダーのバナさんが村人たちと企画してきた「さよならパーティー」をしてくれました。 村の船着場で、たくさんの料理とともに、伝統的な踊りや歌を披露してもらいました。どこからともなく、村人がたくさん集まってきて 異様な盛り上がりに・・村にこんな伝統楽器があることも、村人が踊りをすることも知りませんでした。
踊りを披露してくれた子どもたちに混じって、最後は全員が踊りに参加しました。このエコツアーを行う前に、バスキさんが、ツアーを 通して村人がかつて民族として引き継がれてきた伝統をもう一度掘り起こすことができればと言っていたことを思い出しました。

 バスキさんが、この村でエコツーリズムを普及させようとしている大きな理由のひとつは、ボルネオの自然を楽しみに訪れるツアー客に、 村人が伝統工芸を教えたり、カヌーや伝統的スパを提供したりすることで、副収入を得られることです。ツアー客は、村人と交流することで、 心地よいリバークルージング以上の経験を持ち帰ることができます。ひょっとするとボルネオで起こっている大規模な自然破壊を知って もらうことにつながるかもしれません。
村人は、自然と共に行う自分たちの活動に誇りをもつことができます。

ホームステイ先の家族とともにお別れの時間を・・最初は言葉も通じず、一人で泊まることに戸惑っていたホームステイでしたが、 それぞれの家族の手厚い歓迎もあり、参加者の多くがツアーで一番心に残ったことというメッセージをくれました。

【ツアー参加者からのメッセージ】

  • ホームステイ先での家族との交流は、今度は逆に日本に呼んであげたいぐらい、良くしていただけましたので、大変良かったです。
  • 現地の生活や文化、生活様式を知ることができた点が大変満足でした。
  • 都会育ちの私にとって、タンジュンハラパンは大切な故郷のような存在です!みんな優しくて、暖かくて、大好きです。
  • さよならパーティーで村の方が踊ってくれたダンスが印象的でした。

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