国際会議での提言・働きかけ

違法伐採や乱開発の停止、持続可能な森林利用のあり方を進めるためには、決定権を持つ政府機関等に対する政策提言やロビイングが 欠かせません。ウータン・森と生活を考える会では、森林政策にかかわる様々な国際会議へ直接出向き、提言や抗議活動を行ってきました。

ストーリー1 国際熱帯木材機関( ITTO - The International Tropical Timber Organization )

国際熱帯木材機関(ITTO)は熱帯林資源の保全や持続的経営、及び利用等を促進するために1976年に設立された横浜に本部を置く 国連条約機関です。参加している72ヶ国で、世界の熱帯森林面積の約 80%、世界の熱帯木材貿易の90%を占めています。ウータンは 国内外のNGOと協力して横浜で行われるITTO理事会に参加、主に木材のための違法伐採や違法貿易を停止する対策をとるように 訴えてきました。それまで重い腰をあげなかったITTOも、NGOの要請と国際的な流れによって、違法材取引調査やデータの公表、 関係決議を始めました。2014年の50回理事会では「サラワク州の木材産業に巣食う汚職の撲滅を!」と書かれたバナーを日本のNGOで 掲げアピールしました。

ストーリー2 持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO−Round on the sustainable palm oil)

持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)は、パーム油の環境面・社会面での問題を背景に2004年に設立されたNGOです。 パーム油生産に一定の基準を設け、原則に基づく行動方針、認証制度、円卓会議機能、苦情処理システムを備えています。 パーム油生産の20%の1235万tが2015年末までに認証されていて、ネスレ、マクドナルドなどのメーカー、食品企業も2015年までに 認証に切り替える方針です。ウータンは、2013年と2015年に年に一度の総会に参加、タンジュンプティン地区で問題を起こしている 企業への申し入れとRSPO事務局への提言を行いました(タンジュンプティンの森を守ろう!を添付)。

ストーリー3 生物多様性条約締約国会議(COP10名古屋会議等)

1992年の地球サミットで、生物の多様性を包括的に保全し、生物資源の持続可能な利用を行うために生まれたのが生物多様性条約です。 ウータンは名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議に参加するとともに、「Save!オランウータン、 Stop!違法材名古屋集会」を開催し、前BOSF(Borneo Orangutan Survival Foundation)C.E.O、元森林大臣相談役のトグ・マヌルン氏や 元Telapakのヤヤット・アフィアント氏を招いて講演を行いました。COP10では、生物多様性保全のための新たな世界目標である 「愛知目標」がうまれ、2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」として、国、地方公共団体、事業者、 国民および民間の団体の参画と連携による生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取り組みが推奨されています。

ストーリー4 地球サミット・リオ+20

地球サミットは、地球規模での環境破壊と貧困削減などを目標にした「持続可能な発展」をキーワードとして1992年に開催された国連会議です。 持続可能な社会をめざす行動計画「アジェンダ21」や気候変動枠組み条約、生物多様性条約など現在まで続く重要な決まりができただけではなく、 NGOや市民セクターの発展にとっても重要なきっかけとなりました。2012年に再びリオデジャネイロで開かれた地球サミット・リオ+20へ ウータンとして参加、「2020年までに持続可能な森林管理の枠組みを強めるため、すべての国に今すぐ行動を求める!」と題して、 「1.違法伐採の停止 2.大規模プランテーション開発等破壊的な森林の使用禁止」を提案しました。 

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