アグロフォレストリー・有機農業
ストーリー1 プランテーションの境で森林農業をめざす
ウータンはFNPFが「ジュルンブン」地区で行っているアグロフォレストリー・有機農業プロジェクトの支援をしています。ジュルンブン地区は、 15年前にできたBW社の子会社BLP社(注:2015年に別会社に買収された)のアブラヤシプランテーションとの境の土地を保護のために買い取り、 大規模プランテーションに頼らずに森林も破壊しないオルタナティブな農業のあり方をめざして植林や有機農業をめざしています。
かつてジュルンブンは、一面がラミンなどのボルネオ特有の木が生い茂る美しい森でした。そこにアブラヤシプランテーションが作られ、 生きもののいない殺伐とした環境へと変化してしまいました。しかし、残された森にはオランウータンなどが生息しており、生きる場所を 追いやられています。ジュルンブンはまさにその最前線で残された森を守ろうとしています。
ストーリー2 すべてがつながり循環する農業をめざして
2015年現在は、鶏や牛を飼い、魚を養殖しながら、その糞を土に混ぜて、畑の養分として使うなどの循環型の農法を試しながら、
キャッサバ、チリ、生姜などの農作物を育てています。
また、ここで植えているガハル(香木)は、そこからとれる香料がシャネルの香水に使われるなど非常に高価で、新たな収入源として期待
されます。
アグロフォレストリーは本来、木陰を利用して生姜やコーヒーを育るなど森の中で行う農法ですが、ジュルンブンはまだ森になっていません。 これから長い年月をかけて、人々が森の中から豊かな恵みをえられる場所へ育てていきたいと思います。
ストーリー3 農地を超えた学びのトレーニングセンターへ
FNPFのバスキさんは、「ジュルンブンは単なるアグロフォレストリー・有機農業の土地ではなく、村の人や子どもたちが集い、学ぶための トレーニングセンターにしたい」と言います。大規模な開発は農薬が健康に被害を及ぼし、いつか土地を枯れさせ、何もとれなくなって しまう危険性があります。大規模開発に頼らなくてもある程度の自給をしたり、換金作物を売ったりと循環型の生活をめざす学びの場、 それが持続可能な暮らしを可能にします。